昆布と鰹節以外にも出汁が取れる食材は?奥深いお出汁の世界に触れてみよう。

古く日本では料理の基本として使われている「お出汁」。

手間のかからない顆粒タイプも出てきて、お手軽に料理に足し合わせることができる「お出汁」について、こだわりのある人は少ないかもしれません。しかし、それではもったいないほどに「お出汁」の世界は奥深いのです。

日本を代表とする昆布とカツオ節だけではなく、出汁が取れる食材は豊富にあります。私たちは、「お出汁」の素晴らしさを改めて知ってほしいと思い、次のことをまとめました。

  • お出汁とはいったい何なのか?
  • 世の中にはどんなお出汁があるのか?

この記事を通して、あなたの料理に奥深さを、子どもたちが料理に興味を持つきっかけを、与えられたら良いなと思います。

 

お出汁とはいったい何なのか?

基本的な内容ですが、そもそもお出汁とは何なのか、確認しましょう。

 

お出汁の定義

食材を煮出したり、水に漬けておいしい成分を引き出した抽出液のことを「お出汁」と言います。

多くの人は和食で使われるかつお節や昆布の出汁を思い浮かべることでしょう。しかしそれ以外にも、お出汁となりえる食材たちが、私たちの身近なところに隠れています。

例えば、寄せ鍋を想像してください。

食材を煮込んだ寄せ鍋の汁には、お肉や魚介類の味、野菜の優しい甘みなどが溶け込み、思わず「おいしい!」と感じることでしょう。寄せ鍋には様々な具材のおいしさが溶け込んでいる、つまりは”いい出汁がでている”状態なのです。

 

日本のお出汁文化

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。この頃から和食の味の基礎となる「お出汁」は世界中に広まりました。

日本のお出汁の代表的な素材はカツオ節と昆布です。

お出汁には、塩味・甘味・苦味・辛味と同じく基本味となるうま味が入っています。お出汁を使うと、料理に入っている食材の良さをさらに引き出してくれます。いうならば、お出汁はおいしさの土台になる縁の下の力持ち的な存在です。

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて、日本のお出汁を海外の料理でも取り込んでいる料理人も増えました。そのおいしさを国境を越えて分かち合えるのは、とても喜ばしいことです。

 

カツオ節・昆布以外のお出汁は何があるの?

私達の身近な食材からお出汁を抽出することができます。代表的なカツオ節や昆布以外に、どのような食材からお出汁が取れるのでしょうか。ここでいくつか紹介していきます。

 

1.煮干しの出汁

煮干しといえば江戸時代から続く家庭の味です。一般的にはイワシなどの魚がつかわれています。うま味成分が多く含まれており、独特の魚らしい香りがします。味噌汁やラーメンなどで幅広く愛されています。

当時カツオ節や昆布は高価で、家庭ではその代用品として安価な煮干しで出汁を取っていました。煮干しを半日水に漬け、火にかけて5分くらい煮出します。雑味が気になる場合は、水に漬ける前に煮干しの頭とはらわたを取りましょう。

煮干しのイノシン酸と昆布のグルタミン酸を合わせるとうま味の相乗効果が生まれます。

 

2.野菜の出汁

野菜の甘みと旨みが溶け出したやさしい味わいが特徴です。主張が強くないので、どんな料理にも使いやすい万能さがあります。

野菜のヘタや芯、皮などの野菜のくずを、少量のお酒と水で30分くらい煮出したものが野菜の出汁です。別名はべジブロスとも呼ばれています。

捨てられることの多い野菜くずには、ファイトケミカルと呼ばれる健康成分が多く含まれていて近年話題になりました。

 

3.あごだし

「あごだし」とは、トビウオからとった出汁のことで数年前からブームになっています。臭みが少ないのでどんな料理にも合います。特に鍋つゆ、だし巻き玉子など、出汁のうま味を感じられる料理におすすめです。

基本的なだしの取り方は煮干しと同じですが、あご自体が九州で多く取れるためなかなか手に入りません。しかし、数年前からブームになったおかげか、顆粒やだしパックに入ったあごだしはスーパーや百貨店に売っていて、気軽に試すことができます。

イノシン酸とグルタミン酸が含まれていて強いうま味を持ち、上品で甘みがあってとてもおいしいです。

 

4.鶏の出汁

子供が大好きなラーメンのスープにぴったりなのが鶏のお出汁です。鶏肉のやわらかな味が麺類によく合い、老若男女問わず好まれています。野菜や卵を入れてそのままスープにするのもおいしいです。

鶏ガラで取るのが主流ですが、下処理が大変です。実は手羽先でもおいしい出汁が取れます。酒、しょうが、ネギの青い部分に水を入れ火にかけます。きれいにアクを取って煮込めば出来上がりです。

 

5.椎茸の出汁

椎茸の濃厚な風味が特徴です。めんつゆや煮物、炊きこみごはんなどしっかりした味の料理に使うのがおすすめです。冷蔵庫で放置するだけの手間がかからない出汁なので、忙しい人も気軽に取ることができます。戻した椎茸は、食材としておいしく食べられるというメリットもあります。

干し椎茸を一晩水にひたした漬け汁が出汁になります。干し椎茸のカサを下に向けて水にひたすと、酵素が良く働いてしっかり出汁が取れます。椎茸のグアニル酸と昆布のグルタミン酸でうま味の相乗効果があります。

椎茸祭ではお料理に簡単に使えるお出汁「oh!dashi」を販売しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

奥深いお出汁の世界

 ご紹介してきたように、多くの食材からお出汁を取ることができます。お出汁の世界は非常に奥深いのです。

厳選された素材を仕入れて家で出汁を取ってみたり、おいしいと評判の出汁を取り寄せてみるのもいいですね。

お出汁を知ることで、食を楽しむきっかけになればうれしいです。