椎茸だし"oh!dashi"の作り方〜原材料から加工工程まで大公開しちゃいます〜
こんにちは。椎茸祭の竹村です。
oh!dashiとは椎茸祭の主力製品の椎茸出汁です。
原木椎茸を使った液体の椎茸出汁であり、動物性のもの、及び酵母エキスや保存料など無添加で作られています。詳しくはこちらをご覧ください🍄
https://www.shiitake-matsuri.com/collections/ohdashi-shiitake
これからの食品メーカーの意義
わたしは最近「食品メーカーのつくる出汁の意味」ってなんなんだろうって考えています。
僕らは有名レストランさんに椎茸出汁や生椎茸や乾椎茸を少量販売させていただいております。けれど、シェフからすると原料を買えば、加工食品のほうは味を見て真似することができると思っています。
そもそも加工食品は、マスプロダクション・大規模調理したものであるものなので、調理工程さえ踏めば加工食品にできちゃうわけです。
また、出汁や加工食品というものはすぐにそのまま食べるものではありません。つまり、調理して熱を加えたり、色々な食材を混ぜて煮込んだりする工程を別で必要とする、"准完成品"だと思っています。
つまり、加工食品とは、途中まで手を入れて完成させている「LEGOブロックのようなもの」だなと思っています。そのままでは完成品ではないけれど、組み合わせて美味しくなって完成品の料理になります。そして、その下準備の工程を僕たちが代替して作ることで価値を生んでいます。
だとすると、食品メーカーとしてやるべきことは
①私達がお客様のどんな行為を代替しているのか
②代替をどのような方法で行っているのか
をご共有していくことなのではないかと思いました。
僕らがやっていることは、単純に調理時間を短縮するための製品を作っているだけではありません。
私達は"椎茸"に絞って会社にしていますので、"椎茸"に関して圧倒的な時間をかけています。また、"椎茸"の加工の方法もそこだけに一点集中してプロダクトを作っています。だからこそ、そういった原材料〜加工までの探求にかかる時間を代替していることをきちんとお届けしないといけないなと思いました。
特に①のなかで、どんな原材料を集めているのかについて下記ブログを作成しましたので、
椎茸祭こだわりの原木乾椎茸
今回は②として、どんな方法で出汁を加工しているのかを共有してきたいと思います。通常は加工方法を真似されることをリスクと捉え、あまり加工方法を赤裸々に公開しないことが多いのですが、そういったリスクよりもお客様に知っていただくことに価値があると考え、記事を作成してみました。
お出汁の製造イメージ
皆さんは、oh dashiがどのようにできるイメージをお持ちでしょうか。先程わたしが"准完成品"とか"技術"とか言うせいもあって、工場でウイーンガッシャウイーンガッシャン作るイメージではないしょうか。
・・・大手の加工食品メーカーさんだとそういう機械で作られてることは多いのですが、oh dashiにおいての製造方法はかなりイメージと違います。

(↑自分が昔思っていた食品工場のイメージ)
今回は、弊社で製造をお願いしている福岡の丸三食品さん(どれも美味しくて大好きですが個人的に「ふりふり万能中華」とか使いやすくて特に好きです)の全面ご協力のもと、製造風景を写真と動画にてお伝えしていきます。丸三食品さんには感謝してもしきれない感謝感謝です。
お出汁の製造工程
お出汁の製造工程は以下の手順によって完成しています。
0.工場に入る前に衛生のために帽子の着用および手洗いをしっかり行います。
(※写真は工場に入る前の段階のもの)

① 干し原木椎茸などの原材料*を集めます。今回は事前に集めたものを使って作業へ移ります。
(*原材料に関しては前回ブログ参照)

2020年3月現在まで、九州産原木椎茸を主に使っていましたが、次のロットくらいからガラッと違う産地・品種のものを使おうと計画しています。こちらもロットごとにどんなものを使われたのかが変わるわけなので、ロットごとにどんなものを使ったのかを公表したうえで、ご希望のロットの商品を買うことのできる仕組みを考えています。

ゴマは2種類、香りの強いものと、比較的甘みの強いものを混ぜ合わせています。
(左の赤みがかってるゴマが香りの強いもの、右の白っぽいゴマが甘みの強いものです)
② 干し椎茸と干し昆布を粉砕して冷蔵下で16時間ほど水戻しします。

昆布は北海道産の根昆布を購入してそれを細かく粉砕してから出汁をとっています。
粉砕した出汁ガラが残らないように人の手で濾していきます。


③ 出汁の材料を濾したうえで火にかけて混ぜ合わせます。
このときうま味が損なわれない、かつ衛生面で問題ないよう、85℃で温度をキープしています。
ゴマ、きな粉に関しては、そもそも煎りの強くて香りのあるものを選んでいるので、混ぜ合わせて煮詰める工程の後半に加えることで風味を残せるようにしています。

④ 完成したら熱を冷まします。
⑤ おだしの充填量をきっちり測ります。

メスシリンダーです!
正直、理科の授業ぶりに見ました。
真横から見て測らないといけないんですよね、たしか。
きっちり計測して充填頂いております。

⑥ ボトルの蓋を閉めます。

ガッシャン!!と力を加える機械で、キャップの前後をそれぞれ力をかけて蓋を閉めて封をしています。
すんごい力なので、他にもすんごい固いクルミとかも割れそうです。
(こちらの写真は限定販売用の200mlボトルです)

⑦個包装のおだしを混ぜながら充填します。

こちらの窯は、温度を均一にしながら混ぜることができます。一般的な出汁とちがって、固形物のゴマ・きな粉があるので、そのまま充填すると詰まっちゃうんですよね。。


充填時に空気の詰め方などの具合を見ながら詰めていきます。
全自動でできてるわけでなく、職人さんの技術があるから綺麗かつ均一に詰められています。
(とはいえ職人さんも人、今回は充填時に空気が多すぎたのか、機械が止まってしまうトラブルも起きつつも、無事充填いただきました。本当に毎回ありがとうございます....涙)
⑧ 圧力試験を行います。
さらに個包装が何らかの力がかかっても破裂しないかをテストします。
万力のようなものでぐいっと80kgほどの力をかけてテストしています。
⑨ 常温より高い温度(40℃)で一定期間保管し、賞味期限に問題ないかを確認します。
こういった環境に保管することで、あえてダメージを早めて品質試験に活かしています。加速試験とも呼ばれているそうで、ダメージを加速させてるわけですね。

⑩ oh!dashi の完成!!

充填されたばかり!まだ少しだけ温かいできたてのoh dashiです!
こちらを心を込めて袋詰めして、ステッカーを貼り、賞味期限印字してお送りしています。
最後に
以上、oh!dashi がどのようにできているかの工程でした。
材料集めに始まり、丸三食品さん、そして倉庫会社さんや運送会社さん、多くの方の協力のもと、お客さまのもとにoh dashiを届けることができています。
そして、いつも応援頂いているあなたに、最大の感謝です。いつも本当にありがとうございます。記事について面白かったら、RT+いいね+フォローなど、ご感想などをお寄せ頂けると泣いて喜びます...!!
わたしたちもより真摯にものづくりに対して向き合い、多くの方の自分平和の一助になれるようがんばっていきたいと思います。引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。