ねはんごはん ~なにが私を癒やすのか~  Nirvana Eating ~what heals us~

昨年2019年の夏に渋谷にて開催させていただきましたイベント"ねはんごはん"についてのレポートです。

 

ねはんごはんとは

主催者である菅本さんが、おむすびを握って提供したときにとある方から「温泉みたいなおむすびだね」と言われたそうです。ここで思ったことは食と癒やしに関係があるのではないか?という仮説です。しかしそのとき、食と癒やしで検索してもきちんとした研究などは見つけることができませんでした。つまり主観では食と癒やしには関わりがある。(職場の昼休みの時間は一息つけますよね。)しかし客観的なデータは見たらない。
それであれば自分たちが思う最も癒やされる、食体験の組み合わせを実際に体験いただき、科学的に癒やしをもたらしているのかを検証することができれば少しでも食と癒やしに関する取っ掛かりを得ることができるのではないか。そう考え実施しました、食と癒やしの関係を知るための食環境実験です。

 

実験をどのように行なうか

 

食事の環境を考えるときに、どこまでの時間幅を考えればいいでしょうか?

食べ始めから食べ終わりの時間を図るというやり方もあると思ったのですが、食はどんな場所でも良くてどれだけ時間をかけても関係ないとは思えませんでした。そう考え今回は
食卓時間(ねはんごはん)=食に至るまでの行動+食そのもの(始め〜終わり)+食後の行動

として定義しました。

 

なにが食に影響しうる要素か

 

環境として室温何度でどんな風が吹いているのか、酸素濃度がどんな状態なのかどんな音楽が流れているのか、視界に入る景色、食べる姿勢など、様々な要素が考えられます。

多様な分野の専門家に関わっていただきながら癒しの要素を抽出しました。

 

 

どんな行動を食の前後に行うのか

食前や食後に普段無意識下で行われる、癒やし行動を探しました。
例えば、熱々のおしぼりで顔を拭く。これはどこが温まって気持ちがいいかを考えてみると自分は目と鼻が温まる行為なのではないかと思いました。実はこれ「蒸気でアイマスク」の体験とも同じ。目や鼻を温めるのは気持ちが良いのかもしれない。
更にいうと居酒屋で革靴を脱いで座敷で寛ぐ。これも靴の圧迫をなくして素足に近い状態になるのは気持ちがいいのではないか。※余談ですが自分が昔働いていたチームラボのチームラボプラネッツも足風呂をイメージして人の五感を足から刺激するようにしています。
また食後は寄りかかるのが一番気持ちがいい、どんな状況でどんな音楽がいいだろう、そういって体験を積み上げて今回の実験を構成していきました。

 

どのように癒やされたかどうか検証するか

こちらはPanasonic株式会社さんのエアコンなどを司るAP事業部の方にご協力頂きました。
普段からエアコンなどで快適指数を研究されているメンバーの方に来て頂き、空間全体の温度・湿度・二酸化炭素濃度・照度などを計測頂いた上で、体験者の方に心電図センサーや心拍センサーを取り付けさせていただき、実際のデータから癒やされたかどうかを調べていきました。
※ただし今回は時間と空間の制約上、サンプル数が多くないため確実なものにしていくには今後も継続的に数字を取得する必要があります。

 

ねはんごはん体験

 

実験結果について

代表的な動きを示したユーザーを下記に記載しています。(N=26)
主観評価は上記のアンケート調査結果によるもの。

体温は真夏の開催とはいえ、室内の空調で冷えていたため、お茶を飲んだりおむすびを食べたり出汁を飲むに当たり徐々に対応上昇したように思われます。

3_B1, 1_B1は満足度がそれぞれ満足, 普通とあり、感情変化が多く発生している。
Y軸がポジティブ反応なので3_B1の方は序盤に上がり、食後に下がり、音楽を聞いてまた再度上がっていることがわかるそうです。1_B1の方は序盤〜食事までに上がり音楽を聞いている段階では落ち着いてきている。逆に3_B3の方は若干データが切れてしまっていますが、食事のみ上がっていますがそれ以後下がり続けています。

データに関する総括

おわりに