しいたけ栽培キットの育て方のコツ。美味しくたくさん収穫するために。

こんにちは。椎茸祭の竹村です。椎茸栽培キット(菌床という、おがくずをブロック状に固めて栄養剤を使う栽培方法)を数百個以上、育成&販売してきた知見を活かし栽培キットのコツを記事としてまとめてみました。
※ 弊社商品「しいたけハウス」は2020年1月に販売を停止していますので、売るものがなく、ステルスマーケティングではありません。ご安心ください。

弊社の元商品「しいたけハウス」に限らず、菌床を用いたしいたけ栽培キットは生育環境次第で1~3回繰り返し発生し、自宅でしいたけ栽培を楽しむことができます。

そして一般的に、複数回の収穫で合計大小合わせて10~30本ほど収穫できることが多いです。とはいえ1回目で椎茸が大量発生したり、大きすぎるものができると、菌床側の栄養切れを起こしてしまって1回で終わってしまうこともあります。 

しいたけは無限には生えないけれど、なるべく多く生やす

重要な点は「椎茸の菌床には"総栄養量"のようなものがある」ということです。栄養は椎茸の成長に使われますので、あまりに椎茸が大きく育ったり、たくさん生えたりすれば、栄養はなくなります。(*)

まず目的として、美味しい椎茸をできればたくさん収穫したいですよね。

そのときに「美味しい」=「香りの強いもの」と仮に考えるなら、椎茸は大きくなりすぎないほうが美味しいです。椎茸は大きくなって傘が開いてしまうと、胞子が出て香りも弱くなる傾向があります。

椎茸の傘が内向きの段階、少し小さいかな、くらいで収穫しましょう。
また他の椎茸と衝突しそうなときは小さい椎茸を間引くことで栄養の無駄を少なくできます。
上記のことを意識するだけで無駄な巨大化を抑え、適度なサイズの椎茸をより多く収穫できるようになります。

そして難易度が上がるのは実はここからです。
椎茸栽培キットをやったことのある方はご存知かと思いますが、二回目以降の収穫はぐんと難易度があがってきます。
なぜ難易度があがるのかというと収穫時に椎茸の接合部にカビや雑菌がつくことで椎茸菌床が弱ってしまうことが多々あるためです。

 

しいたけの軸(傘の柄の部分)を菌床から残さずキレイに収穫

上の写真のように、菌床にできるだけ近い根元部分からしいたけを刈り取ることをオススメします!(でも菌床ブロックを傷つけないように)

 

なぜかというと椎茸の軸部分が少しだけ残るとそこからカビなどが侵入しやすく、ひ弱なシイタケ菌はすぐに負けてしまいます。こうなることを防ぐためにも、しっかり根本から椎茸を収穫しましょう!皆さんの大量収穫をお祈りしております!

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一応、、、椎茸栽培トラブルに巻き込まれているあなたのために下記も記載しておきますね。


「しいたけが生えてこない!これはなぜ、、」という人に向けて

椎茸の菌床が
①突然白くなる場合
②軽くなる場合
があります。

 ①は

・収穫せずに放置して胞子が出てきてしまった
・もしくは白カビが侵入してきてしまった

ことが考えられます。

いずれにしても、しいたけ菌床を軽く丸洗いするだけで、色はもとに戻り栽培が再度活性化される場合があります!

②は

収穫とは関係なしに発生している場合は、部屋がものすごく乾燥している可能性があります。

しいたけ栽培キットの袋の内側に、水滴はついていますか?基本的にはきのこは多湿な環境で育つものです。湿度がないと菌の働きが鈍ってしまいます。この場合は、部屋の場所を変えたうえで、浸水作業をしてあげてください。 

どちらにせよ、トラブルに巻き込まれずに生育できることが大切ではあるのですが、どうしてもトラブルから奇跡の大逆転を目指すのであれば、こういった対策をしてみてください。

それでは!皆様のたのしい椎茸ライフを!!

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余談:しいたけ栽培キット 無限収穫への道

*栄養を加え続ければ無限に生えるってことだよな・・・?
とお思いの皆様だけ続きをご覧ください。

シイタケ菌がなにをどう必要としているのかまだはっきりわかっていないことも多いので、参考までに御覧ください。

「椎茸の菌床には"総栄養量"のようなものがある」
ですが、シイタケ菌(菌の説明時はカタカナ)が必要なエネルギー源は
1.外部から加えられる栄養剤
2.広葉樹の中に含まれる「リグニン」
と言われています。

つまり、菌が回っている状況下で上記の1+2を加え続ければ、無限に生えるのでは。そう思いますよね。

自分も栄養剤を加えながらやってみたのですが、なかなか2のリグニン側(その際はおがくずの培地を追加してくっつけてみた)に菌が回らず、結局もともと生えていたエリアからちょっと生えたくらいで終わってしまいました。

自分が思う失敗要因としては、、
・菌が徐々に成長してコロニーが出来上がっていくなかで、菌の中で新規の培養地に対して忌避反応が出る。培養地側の問題がなければいけるのかも。
・新規培養地の問題ではなく、くっつけて育てる場所の温湿度の管理に問題があったかもしれない(冬の室内 10℃~15℃前後、湿度60%ほど)
・生育スピードを向上することで死滅リスクを減らせるのかもしれない。(高圧電流で生育速度を早める研究がありますのでご参考まで)
・そもそもシイタケ菌は強いものではないので、他の種類の木材腐朽菌(木から栄養を取得するタイプの菌類)であれば成功するのかも。

というのが自分の持ちうる知見です。
なお市販の栽培キットで、過去最大で5回収穫できましたが、サイズは基本小ぶりなもので60個ほどでした。

無限しいたけが実現した方、是非ご連絡ください!
なにをするわけでもないですが、最高です。
是非、挑戦者求む。